ホリスティックとは?〜代替療法家の視点から

 

 こんにちは。若木先生ありがとうございました。前半は若木マジックにしっかり、はまって頂いてだいぶリラックス出来たと思うんですけども、なかなかね難しい話をして頂いたんで、まあ後半の方はお話になりますので眠たい人は寝て頂いて結構です。しっかり前半で、三千円分位たっぷり体験できたんじゃないかと思います。私は皆さんと、予防士の方とは通学の授業で、それで指導士の方にはスクーリングとか施設見学での方でお会いしている方もいるので、半分位の方はお顔を存じています。


 また昔からホリスティックの方で活動させて頂いていたんで、面識のある方々が結構いてるんですね。それで今日はどんな話をするかというと、ホリスティックな医療とは何かという事を、通常ドクターの立場から皆さんへはレクチャーがあるんですけれども、私は代替療法家として若木先生と同じような形で施術、健康指導やっているわけなんで、その面からホリステックをもう一回皆で考えてみようということでお話させて頂きます。


 まずここでちょっとテストをしますね。皆さんは日本で住んでいますから法治国家ですから、法律というのを守っていると思うんです。当たり前なんですけれどもその中に交通ルールってありますね。今日若木先生はスピード違反をしたと言うことで、これネタにしようとちょっと今思いついたんですけども、皆さんは歩くとき歩行者信号で止まったり、渡ったりするわけですが、この信号はどっちが赤色か覚えていますか?縦にこういう風に並んでいるんですが・・・。


 AとBどちらかが赤色でどちらかが青色なんですけれども、まず上が赤だと思う方?ハイそうですね。じゃあ下が赤だと思う方?ハイこちら圧倒的に少ないいですね。答え合わせをする前に一つお話します。  
指揮者の小沢征爾という方がおられますね。ご存知ですね。あの方がまだ修行時代にヨーロッパへ行き、ある音楽学院に入った時のこと、楽譜をいきなり渡されたそうなんです。その楽譜を指揮しなさいと言う話だったんですが、楽譜を読んでいくとどうしてもおかしな点が一つあったそうなんです。 


 おかしいな、おかしいなと思ってそれを周りの演奏してくれる人に聞いても「征爾お前が間違っている」と皆に言われたそうなんですね。何日も考えて、いざテストという時にどうしても納得がいかないので、自分が思うとおりにしたそうです。するとそれが正解だったんです。と言うのは、間違いを見つけるというのがテストだったそうです。90人いれば90人が「それは間違いだ。征爾が間違っている」と言っているのに、それだけ圧力がかかっても自分の絶対音感を信じてやる。というテストをだったんですね。だからマイナリティというのは決して間違いではない、ということを言いながら上が正解なんですね。こちらが止まれと言う印なんですね。


 マイナリティと言う事で話をすると、私たちは日本で生まれ、育ったから赤ちゃんの時に病気しても、たいがいは西洋医学のお世話になると思うんですね。だから医療というのは西洋医学が中心になっていると思いがちです。けれども世界的規模で見ると、多いのは代替医療の方で。約7割。その国の中心の医療となってるのは、代替医療の方が7割だといわれてるんですね。ですからマイナリティというのは決してネガチテブではないということ。時と場合によってわね・・・。

 私にしても若木先生にしても一つの整体の学校で今、講師をしているわけなんですけれども、その学院長の専門と言うのは、腸内細菌で昨年ここでも講演させて頂いたんです。けれども、よく腸内細菌の話をする時に悪玉菌とか善玉菌とかって話しますね。ウエルシュ菌とかは悪玉菌であるし、乳酸菌とか乳酸桿菌は善玉菌であるということ。しかし、悪玉菌とか善玉菌とかって話をする前に頭に何か文字がつくんです。その文字というのはわかりますか?


 どんな文字が付くかというと「人間にとって」ということです。だから、人間が勝手に善玉菌とか悪玉菌とか自分の都合のいいように決めてしいまったんですね。これがさっき若木先生の話にもあったように、私達は地球の中の一構成生物なんですね。だから人間中心に考えていくといろんな環境汚染があったり、戦争があったりすることをマイナス、ネガティブに考えるけれども、地球という規模で考えたら嫌なことをしている人間の方が、それこそ悪玉菌になっているかも知れないんですね。


 だから善玉菌も悪玉菌もそれぞれ自分が生きて、次の世代で子孫を残していくということを目的に命を育んでいる中で、たまたまその菌は人間と共存した中で人に悪さをする。あるいは良いことをしてくれる。それによって人間にとって悪玉菌、善玉菌という風に決められてしまう。だから色々な代替医療とか、あるいはその他のまあ医学的なことでも皆さん、予防指導士あるいは予防士、ということで生活習慣に対してアドバイスをしていく、そういった仕事をしているんですね。それで、じゃもう一回原点に立って、健康とは何かということを、後半で考えてみたいと思います。


 で、まだ続きがあるんですよ信号の。今度は、下が緑なんですけども、この時に歩き出してる格好があるわけなんですね。どっちへ向いて歩き出しているか、これちょっと思い出して下さいね。どちらかの方向に歩き出そうとしてるんですけれども。こちら側がA、こちら側がB。さて、これはどちら?Aと思う方ちょっと挙手。Bと思う方、あっち向き。今度はこっちが少ないですね。今度はやっぱり正解はこちらなんですね。今回も絶対多数の方が正解ですね。


 皆さん、今回正解になってない人も、きちっと横断歩道に行けばルールを基本的には守っているはずなんです。だけどもいざ思い出してくださいと言ったら、なかなか思い出せない方が沢山いる。だから、記憶っていうのはそれほど曖昧なんです。


 勉強するにしても、自分が一生懸命集中してやっていけば、覚えられるものも、疎かにやっていけばなかなか出来ない。と言う話をするんですね。それとさきほど話にもあったように、視覚情報というのは、沢山の情報が一度に入ってきます。私達はこの視覚情報によって行動がかなり制限されていることがあるんです。その一つが、若木マジック。まぁマジックは黒丸先生の専門なので・・・。今日は若木先生に色々なセラピー、手当ての方法を教えて頂いたんですけれども、やはり自分の意識の中で、固定概念と言うのが、体をこわばらせていることが沢山あります。


 私の所も最初来られたら、問診に時間をかけて、色々な話をする訳なんですが、まずクライアントの何を一番変えていきたいかというと、その人が持っている「既成概念を外してあげる」という事なんですね。病気が治らないんだ、痛みが取れないんだ、これは出来ないんだ、という大体そういう風に自分で病気を作ってくる方が沢山おられます。そういった意識を外す。で、意識を外す色々な方法の中に視覚の情報とか触覚情報とかを利用する方法があると思うんですね。そういう事によってその人が、上がらないんだ、動かないんだ、痛いんだと思う概念を取り除いてあげることによって、本来の脳は機能をストレートに発揮させてくれる、という風な事だと思うんですけれども、そこでもう一つテストしますね。

 
 今からここに、ある文字が書いていますので。この文字は何と言う文字かちょっと読んで頂きたいんですけれどね、こう言う文字です。


 解った方も口に出さないで下さいね。しっかり、眼鏡ちゃんとふいて、心の目で見て頂いたらよく分かると思うんですけども。解った方、黙って挙手して教えて頂けますか。何人か解ってますね。解りますか?いいですか?じゃあ種明かししますね。種明かしはこういう風に見て頂いたら読めると思うんですね。解かりました?ハァーという声がうれしいですね。

 反応して頂いたら。これ若木先生のつかみなんですけどもね。はい、こういう風に見て頂いただくと『ココロ』と読めると思うんですね。まだ読めない人いますか?これ読めなかったら時間掛かるんで次行きます。 
なんでこんなテストするかというと、今から私は「ある文字を見せます」ってみんなにお話したんですね。つまり、「文字を見せます」って言った瞬間にみんなは、白い所に黒とか青とかで書かれてる方の文字を一生懸命読もうとしたから、例えば「トト川」とか読んでる人もいたんですね。いるはずなんですけども。でもこれは誰も黒い所を読んでくださいとは一言も言ってないんですね。

 「文字ですよ」という情報を与えることによって、いわゆる手品でいう「ミスディレクション」っていうのをみなさんに植え付けることによって、一生懸命黒いとこを読もうとするんですね。こういったことがやっぱり日常生活健康指導するなかでたくさんあります。もうその人の思い込みっていうことが、ものすごくあるわけなんですね。で、物事っていうのは本質的には変わらないことであっても、その人の立場とか見方によって色々な場面を粗製していくことになる訳なんですね。


 こういう絵を見たことありますかね?これルビンの壺っていうんですけども、これは、ゲシュタルト心理学でいう「地と図」っていうものの話しをするんですけども、こちら側のこういう曲線の部分を図としてみていただいて、こちら側を地として考えたら二人の人が向かい合っている顔に見えるんですね。今度は反対にこちら側を図としてこちら側を地。こちらがキャンバスこちらが絵として考えたら壺に見えるんですね。


 でもこの描いた絵は何も変わらない、だけどその人の見方によって捉え方が全然違うというんです。この辺のところが健康指導をさせていただく中で、一番大事なことだと思うんですね。
例えば今ここに「十六茶」というのがあるんですね。これ私の左側に置いてあるんですが、皆さんから見たら右にあるんですね。でもこいつは右でも左でもそんなこと意識せずに、ただここに存在しているだけども、こちらから見る、つまりこちらの立場から見れば左だし、皆さんから見れば右。こいつは何も変わっていない。


 この部分をそのクライアントに伝えていくことが出来れば、わりかし健康指導って楽なんですよ。健康指導っていうのは、病気を治して行く訳でもないんですね、その方の生き方をその人なりに生きて頂いたら、それはそれで成功だと思います。

 という話でちょっと前置きが長くなりましたけど、今日レジメという物語風の物をお渡ししてるんですけども、私がどういう風にホリスティックに関わって来たかお話しまして、関西の歴史みたいなことをちょっとお話して行きたいんです。


 中学からずっと体が小さかったんですが、武道がしたくて最初は柔道をやってたんですね。中学の時柔道部に入ったんですがなかなか体が小さいと、でっかい先輩に潰されてしまうんですね。一つ上に100kg位の先輩がいたので、全然潰されてしまうのでこれはダメだなアと思って高校に行ったら体重制のあるレスリングをしょうと思ったんですね。そしたらある公立高校でレスリングの強い学校があったんです。そこに行って入試の時にクラブ紹介のこう云う机のところで、名前を書いて入るつもりでいたんですが、その公立高校から来るなと言われましてね・・・・。


 結局私立高校に行ったんですけども。まあそこはそういった武道関係がほとんど無くて、その学校はラグビーが今でも強い学校なんですけども。唯一剣道があったんです。でまあ剣道部に入らせて頂いたんですけど、棒を持たなあかんのでね、ちょっとこれは違うなぁと辞めて、その時に丁度ブルース・リーというのが流行ってまして、もう今から30年位前なんですけど。それからずっと空手をしてる訳なんです。


 まず私はどちらかというと理論というのが好きなので、本を沢山読むんですね。本を読んでいく中で、ツボとか急所とかいう本から入っていくと、そこに中国の経絡、経穴というところに結び付いたんですね。それから気功、そういった本を読む中で中国に「裸足の医者」というシステムがあっんです。この裸足の医者と言うのは、中国は国土が広いからね、みんな隅々まで医療がなかなか行き渡らないので、それぞれの都市にちょっと医療の分かる丁度皆さんのような予防士、指導士みたいな人を沢山作って、それでだめだったら中央の病院に送って行こうと、いうシステムがあったそうなんです。簡単に言うとそういったものが「裸の医者」というシステムなんです。そういうシステムを見ながらこれはいいなぁ、こういう人になりたいなぁとその時は漠然とですが思ってたんですね。


 それから大学に行ってずっとクラブをしていて卒業して就職をしました。仕事は芸大なんでデザイン、グラフィックデザインをしてたんですけども、その時に丁度今やっている仕事のベースになるようなものに行き当たりました。健康法の本を読むと最初やっぱり食事療法から入ります。玄米菜食ということになってきます。玄米菜食の本を読んで自分なりにやりまして、凝り性ですから、全部自分で炊事やりますから、会社でも炊事をやってたんですね。自分で炊事道具持って行って給湯室で調理をやってましたから、変わり者扱いをされ「変人変人」と言われました。


 たとえば、デザインの場合はグループで、チームを組んで作業することが多いので、撮影とか行っても「岡田は食べるもの無いなぁ」とよく言われたんです。そういう中でとことん懲りたいんで一週間自分で断食をして、その時は本当に知恵も無かったのでただ食べないという断食をやったんです。体がどんどん痩せていってね、運動もしてなかったので階段が昇れないんです。筋肉が無いから。這って、ちょうど蒲田行進曲の最後の階段上がりみたいな感じなんですけども…。それでお風呂に入っても体が浮くんですね。ぷかぷか浮くような感じ。だからあの時多分8kgぐらいはいっぺんに落ちてねぇ。その反動で蜂蜜を中心に食べると 3ヶ月で10kg肥えてねぇ往生したんですけども・・・。


 その時に当然家は白米なんです。だいたいああいう本には「白米は毒」と書いてあって、ほんとまともに洗脳されてしまいましたから、家に帰って母親に「こんな毒食わして」って言うてね。親が泣いてたんですけども・・・。そりゃ、もう無茶苦茶言ってました。


 それで何故自然食を止めたかというと、さっき若木先生も言ってたんですけど、今から25年位前です。自然食っていうのを探さなかったら無かったんです。だから「自然食、自然食と言いながら探さなあかんって何て不自然なことか」で、止めたんですけど。それからあまり食事にはこだわらんと、色の濃い物とか添加物は避けて、後はマクドナルドとかも行って食べてますし・・・。

 そうこうしているうちに色々なものに出合いまし。そしたら野口整体にまず出会ったんですね。野口先生のやり方というのは潜在意識に働きかけるということで、まさに若木先生がやっているような、あんな感じの治療法というか指導法なんですね。それと後は橋本操体、沖ヨガ、この辺の三つが僕のベースになっているんです。やはりそういう風にやっていく中で、大学出て本格的に太極拳を始めまして、訪中を何回かしていまして。向こうに行くとホテルの前ではお年寄りの方が朝、太極拳をしてはるんですね。だけど若い人はしてないね。


 台湾に行った時はちょうど向こうはディスコやエアロビックスのブームでしたから、公園に行ってみると若い人は皆ラジオかけて踊ってはるんです。誰も太極拳をしてない。特に台湾はしてなかったですね。僕が行った時は今から25年前なんですけども。中国は、外でお年寄りの方は太極拳をしてました。何年か前のブームで日本に入ってきた時は、太極拳から入って来てますから、ああいうゆっくりした運動がメインなんですけれども。中国の場合は小さい頃、長拳っていってもう少し伸びやかな形で基礎体力をつけていくのが主流で、太極拳はお年をいかれた方がやるという形で位置づけられていました。

 
 中国の気功や太極拳をずっとやりながら、その外気功じゃなくていわゆる養生功、つまり自分でやっていくセルフケアの気功を人に処方したいなぁと思ったけど、人に処方していくためには資格がいるということで指圧師か鍼灸師の資格を取ろうと思いました。その時デザイナーでやっていてなかなか給料が安いんですね、あの時代の大卒の初任給が12万ぐらいで、私が最初デザインの事務所に入った時の給料は7万でして見習いやから。4年ぐらい居っても最終的に14万ぐらいまでしか上がってないんです。


 ここでは無理だと思って、健康の仕事やりたいんだと思って、会社を辞めました。その時ちょうど結婚したので、まさに「結婚退職」したんです?????!!!。


 それから2ヶ月間くらいは家で研究と称して、本ばっかり読んで将来のことを考えていました。その時は働いてなかって嫁さんが働いてはったんですけど・・・。

 
 それからなんとかしなあかんと思ってまず夜学に行こう、夜学に行って昼間は何か仕事をしようと思って昼間は大学の入試教材を売っていました。営業やってたんですけども、もともと人としゃべるのが苦手なんですね。しかしそこでマニュアルというものを覚えさせられて、その時の教材が65万円なんです。65万円の教材を売るんだけどもああいうシステムは、一月ヶ目はちゃんと給料をくれるんですね、15万あげますよって感じです。それから二ヶ月目からは完全歩合制になるので数万円になっていく…。


 「こりゃいかんなぁ」と思っているときに、「指圧師見習募集」っていう広告を見つけたんです。それが今からちょうど20年前になるんです。そこは「日本総合健康センター」っていってオーナーは、もともと金融関係の会社の会長だった方ですが自分の病気、心筋梗塞、いわゆる生活習慣病ですね。この病気を東洋医学で治されたんです。何で治されたかというと断食なんです。淡路島の五色の断食道場という所へずっと通われて、あそこで自分の病気を治されまして、いたく東洋医学に感動されて、自分の会社に健康センターを作ったんです。

 
 そこに入社した時は私以外に鍼灸師の方が6人いて、見習は私だけ。総勢7人のスタッフでそこをやっていこうということで、10月に入ってから1月15日のオープンに向かって、色々トレーニングさせてもらったんです。トレーニングさせてもらったときに色々なタイプのマッサージや鍼灸の人がいるけれども、統一手技という形で「加藤式整体指圧」というのを習ったんです。


 この整体指圧というのが、加藤清先生という、粉ミルク断食でガンを治すことで当時有名な「健康再生会館」という鶴橋にある、そこの先生の手技を習ったんですね。ちょうどその時に千島学説、ご存知の方も居られると思いますけど、腸管造血っていうね考え方も一緒に習ったんです。

 1 月15日にオープンしまして、しばらくしてそこに名人の先生が呼ばれてきたんですね。名人の先生というのはどういう名人かというと、「一発全治」というのがふれこみ。一回治療すればどんな病気も治る、そういうふれこみの先生。その先生が自宅で治療するときは1回1万円。さらに骨格矯正をすると2万円という料金をとっておられた先生なんです。その先生を招聘してきてセンターに迎えて名人治療ということを始めたんです。


 そのときの名人の先生の給料が70万、手取り70万、税金なしで70万なんですね、70万。出すからには沢山の患者に来ていただかなきゃならないので、結構宣伝をラジオとかスポットでやったりしてました。

 その会長というのはもともと新聞記者で、いろんな事あるごとにレポートと書かせたり、話をさせるようなことが、大好きな会長さんだったんです。他のスタッフはあんまりそういうことが好きじゃなかったんですが、一応私は企画会社にいたんでレポートは苦痛じゃ無かったんですね。そうしているうちに会長にえらく気に入って頂きまして一年経ったらマネージャーに昇格しました。

 マネージャーに昇格して、その名人の先生の付き人みたいな感じなったんですね。名人先生はいつも会社に来るときは会長のベンツでお迎えなんです。帰りは私がタクシーで送って帰るんです。
ある時にこのレジュメにも書いたように先生に「名人の秘訣は何ですか?」と聞いたんです。そしたらその先生は「名人の秘訣は治らん患者が来ない」と言ったんです。治らん患者が来ないということはどういうことなんかなぁとその時はよく分らなかったんですね。

 「治らない患者さんを診ない」だったらなんとなく分かるが、しかし治らない患者さんが来ないというのはどういうことなのか?よう分からんまま、「このおっちゃん変なこと言うてるな」という風に過ごしていたんです。

 その先生がセンターに居た時の先生の治療費というのは1回が初回5万円なんです。1回目が5万円、2回目が4万円、3回目が3万円…と続くんですがそのとき僕がマネージャーですから、僕が問診してお話をするんですね。最後にこうこうこうですよと言って「じゃあ初回の料金は5万円頂きます」というのがなかな言えない。5万円という金額のお金の価値観っていうのは自分の中で高いと思っていましたから、今でも5万円は高いと思います。だから5万円って上手に言えないんです。「あなたの初回の料金は5万え・・ムニャムニャ」っていう風になってしまうんです。

 しかしね、恐ろしいもので、3ヶ月くらいしたら慣れるんですね。ちゃんと「5万円です」って言えるんです。そうすると今度はだいたい相手の方が「オッ」というリアクションを起こしはる…。

 まぁそういう風にセンターの方も最初はうまいこといってたんですけども、だんだん名人先生が治らなくなってきたんです。で会長というのが東洋医学が大好きで、いわゆる唯心論的な見えない世界が好きなのかな?と思ってたんですが、基本的には唯物論者だから「治らない原因をちゃんと見つけろ」と僕は言われたんです。
治らない原因と言うのは何かな?と言うことを考えていく中で、さっきの名人の秘密の説明を聞いたんですね。

 

 色々考察していくと、じゃあ何故治るんだという事に逆に行き付いた訳なんです。治る理由を色々考えてみると勿論その先生の手技が良いというのも有る。当然長年のキャリアを持ってはる。ただそれ以上に色々なネタみたいな物があるんですね。このネタというのはどういう事かというと、まず患者さんを選んでいた訳なんです。
この「選んでいた」と、さっき言った「来ない」と言うのは、微妙に繋がらないんですけども。どういうことかというと、まず自宅で施術をしている時に、一番最初来られた時に食事の話をするんです。まあこの食事療法が良いのかどうかは別として、かなり厳密と言うか、かなり頑張らないと出来ない事を言うんですね。 


 例えばだし一つにしても、おじゃこから全部取って、あれを食べたらあかん、これはあかん・・・、かなり厳格な食事療法を言いはります。


 合う人しか結局残らない。そのやり方が合わなかったら、来なくなるんです。そして今度は合わなかっても、ちゃんとする人は、やっぱり食べ物が悪いですから、体が変わって来る。それに近い形のセレクトをちゃんとしてはるんです。それと基本的には紹介者だけを診てはるから、すでに治るモチベイションが高くなってる。


 これは、私にしても若木先生にしても、学院で教えていることにしてもそうですけども、一番最初にその方と良い関係を早く結びなさい。「ラポールちゃんと作りなさいよ」と言うのが一番の原則だと思うんです。だからツカミであったり、何でも構わないけども、「最初問診で9割終わっているんだ」。こういう話をしていきます。「後の技術っていうのは別に何でもそんなに構わないんだよ」。という風に僕らは思うわけなんです。
その中で、名人先生はなんやかんや言われながらも、しばらく治療を続けておられましたが、最終的にはくびみたいに形になってしまったんです。それからまた、自分の家に帰って、治癒力が上がっていった。結局それがその先生にとっては幸せだったのかもしれませんが・・・。

 これは何故かと言うと、いわゆるセンターは沢山広告をして、沢山お金を取っているので、治すことを前提で物事を考えているという事。やはり医療というのは、いわゆるお医者さんに行って、そこにお金を払うことによって、何らかの治療というサービスを受けて、お金で買うという側面をみんな持っていると思うんですよね。だから5万も出すんだから、これは絶対効くだろう。5万も出すんだから「治してくれよ」的な発想があります。


 確かに先生が食事指導とか、いわゆるカウンセリングをされまして、守られる方もおられますが、なかなかそんなことは出来ないと言う人もいるんです。お金払うんだから治してくれよ。という人も沢山いたんです。やはりそういう人は、なかなか治らないんです。だから正直いうとこの技術も素晴らしいけど、技術だけじゃない部分に、かなりの要素があった治し方と思うんですね。センターから離れてしまうと、またよく治っていく。その辺りのことはなかなか会長には理解して頂けなかったんですね。


 例えばAというサプリメントが良かったら食べはるんですね。そう言う所に色々なサプリメントを持ってくるんですね。そしてBというサプリメントが良いと言われたら食べはるんですね。今度はまたCが来たらCも食べはるんですね、もうサプリメントだけで食べ過ぎって言う感じだったんです。足し算の医学やってるんですね。
元来東洋医学というのは引き算の医学と思います。さっき若木先生が言ってはったように、無駄な物、埃を払ったら本来の形が出てくる、健康になれる。まぁ、健康の定義も人それぞれ違いますが、ちゃんと健康になれるようなシステムが出来上がっているんですね。サビを取っていくそれが東洋医学のひとつの考えかたなんです。その辺りがちょっと会長と私の見解が違ったところなんですけどね・・・。

 さぁその名人先生のいなくなった後、なにか新しい技術を習いに行くという形で派遣されたのが、さっき講演をされた、若木先生の居た療術の学校だったんですね。そのとき彼は住み込みの内弟子という形で、トイレ掃除から全部やってはったんですね。まぁ大変な内弟子時代を経験してはるんですね。


 私の方のセンターは結局3年で閉所となって、居抜きという形でその若木さんの居た学校が後引き継ということになったんです。で、私はそのままそこで働くことになりました。


 しばらくしてそこで彼と同じような立場で仕事をさせてもらうようになって、当時彼も若かったし私も30才ぐらいだったんですね、まぁ、彼とはタイプがぜんぜん違うので、仕事の内容や場所を変えて分担して、まぁ一緒にうまいことやってたんですね。

 今から15年程前に時期を同じくして独立しました。たしか彼が4月に私が6月。それで私が開業するとき何か特長を出そうということで、五感、体の五感ですね。視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚の五種類にアプローチする方法を考えてたんですね。さっき若木さんも言ってはったように感覚をどんな風に使うかが大事で、まぁいろいろ調べていく中で触覚は整体、視覚や聴覚はなんとなく決まったんですが、さて、味覚と嗅覚はどうしょうとかという時にハーブに出会ったんです。今から15年前ですから、ハーブやアロマテラピーがまだ日本ではあまり知られてなかったんですね。


 それで色々探していくうちにモーリス・メッセゲというフランスの薬草療法家の「ティザーヌ」というハーブに出会ったんです。メッセゲのハーブを取り入れるということで、そこのレクチャーを100時間ぐらいずっと受けてたんです。その時にいわゆるホリスティックという言葉を始めて聞いたんですね。そこにたまたま居てはったのが関西のホリスティック医学協会の、前の事務局長の森さんという鍼灸師の方だったんです。そこで治療家というのは僕と彼女だけだったんです。


 それで色々話をして、「それだったら一度来てださいね」って言われてきたのがきっかけだったんです。それで90年にホリスティック医学協会に入って、91年の1月のフォーラムに初めて参加したんです。その時講演されていたのが、藤岡先生といわれる方で皆さんの指導士の見学施設にもなってます、三重県の赤目療養所を開設されているドクターだったですね。


 その時に司会をされていたのが現在の関西支部長の黒丸先生だったんですね。まぁそうして講演が終わって、黒丸先生が「なんか質問ありませんか」って聞きはったんですね、じゃということで私が手を上げて「すいません、いいですか」って言ったら、黒丸先生が「あっ、いいよ〜」って言ってくれはるですね。黒丸先生は東京出身なんですけど変な大阪弁で「いいよ」って言ってくださるんですね。


 私は一番前の席でカセット取りながら一生懸命聞いていたんです。で僕が質問したのは「今日ホリスティック医学のお話を聞かせていただきましたけれど、じゃホリスティックな医療はどこへ行ったらが受けられるんですか」って聞いたんです。そしたら黒丸先生が「ううーんっ、ないんや」って言うんですね。「無いんや、っとて言っても困りますね」って言ったら。「うん、そやけど無いんや」って答えてくれるんですけ、変な大阪弁で…。


 とまぁ色々やり取りがあって、ちょうどその日は新年会の日だったんで、森さんに誘われて新年会に出ることになりまして、天満橋のホテルやったと思うんですが、その会場で黒丸先生に声かけられたんですね「君君君」って、呼ばれて。「君、質問とかいっぱいしてホリスティックに興味があるんだったら、スタッフにならないか」って声をかけていただいて、それがホリスティックに入るきっかけだったんです。で、あくる2月から今度は私が司会させていただいて、6年ぐらいしてたんですかね。それでやっぱり聞かれんですね「どこに行ったらホリスティックな医療が受けられるんですか」って。でもやっぱり「無いんや」としか答えられないんですね、正しい大阪弁で…。

 ということで、関西支部でもずっと考えてるんですね。それでネットワークをどうして作ろうか。「作ろう作ろう」ってるわりには、「じゃ、ホリスティックな医療は何処に行ったら受けれるのか、誰がしてるのかとか、それでホリスティックの範疇はどうするんだ」というところでいつも行き詰っちゃって、出来なかったというのが現実問題だったんですね。


 それが今から数年前からちょっと様子が変わってきました。じゃ何が変わったかというと。ホリスティックな医療っていうのはあいまいで定義するのが難しいんですね。つまり、それぞれのホリスティックっていうのが存在するですね。そんな中でもうちょっと分かりやすい、分かりやすいっていったら語弊があるかもしれませんが、例えば代替医療とか補完医療とか相補医療とかいうのは、もう少し形が出せる医療だと思うんです。だからCAM’netとかJACTとかそういった中間の学会が出来ることによって、見えない世界まで丸ごとかかわるホリスティック医学と現代西洋医学のパイプ役になると思うんですね。

 例えばアロマテラピーにしてもリフレクソロジーにしても、高血圧の方に一定の期間施術をして、施術する前と後でこんだけ変化が出るんですよっていうデーターが出せるんですね。そういったサンプルが沢山出てきたらお医者さんの方でも、「まぁ一度使ってみようか」ということになるんですね。


 しかしこの代替医療ていうのは相性の医療と言われているんですね。だから同じようにやってもAさんがBさんにやった施療を、今度Cさんにやって同じ効果出るかというと違うんですね。これが一番難しいとこで、また一番面白いとこだと思うんです。


 ドクターというのは基本的には科学者ですから、科学者というのは「再現性」というのが必要になってきます。再現性と言うのは、誰がやっても同じ条件であれば、同じ答えが出るということ。昔よくこう理科の実験でH型の試験管に電極を付けたら、酸素と水素が1対2の割合でポコポコポコとでてくるっていう、電気分解の実験てありますね。あれは、6年生の子がやっても、中学の先生がやっても、東大の博士がやっても同じ条件でやれば同じ答えが出てくる。これが再現性なんですね。


 やはり科学者であるドクターはこういうのをまず求めてしまう。だけど代替医療の場合というのはどうしても相性というのが必ず関わってきます。


 例えば美容室に行くとか散髪やさんとか、あるいは何かお気に入りにショップに行く時に、大体決めている方って結構多いんですね。なぜ決めているかというと、そこにいけば居心地が良いとか、「ツーと言えばカー」分かってくれる。何か自分のことを知ってくれている。そいう風な関わりあいをしている方が多いと思うんです。
それがいわゆる代替療法の中にも必要になってくると思うんですね。それを色々な表現、それが気なのか、波動なのか、オーラなのか何か分からないけれども、そういった関わりあいの医学、医療であるのがこの代替医療の大きな力になってくる。


 もちろんドクターの中にも、そういったことを大切にされる方もあるし、だから「西洋医学イコール、ホリスティックじゃない」という表現は全然出来ないんです。だから西洋医学の中にあってもホリスティックな医療を実践されているドクター、当然ここのスタッフのドクターももちろんそうだし、それ以外にもホリスティックなマインドを持ったドクターと言うのは沢山いてると思うんです。


 逆に東洋医学をやる人は全部ホリスティックな医療かというとこれもまた違うんです。東洋医学イコールホリステック医療では無いんです。だから代替医療やそういった東洋医学ていうのは、ホリスティックにかなり近い部分があるんだけども、イコールでは無いということ。この辺がまた難しくなるんですね。けどまあその辺のところを皆さんがしっかり押さえていく。これが大事なんですね。

 予防士、指導士の講義の時にもよく言うんですけども、今このテキストていうのがね、これ予防士のテキストなんですけど、予防士が6冊、指導士が5冊ですかね。言ってしまったらまあ何ですがまだ、色々な情報を寄せ集めている段階にしか過ぎない、と言ったら怒られますけど。まぅぁちょっとずつテキストは改編されているんですけども…。

 
 この資格はホリスティック医学協会が認定するんだから、この本の中には一本ホリスティックな感覚を通して下さいねと言う話をします。通常は運動の方を担当していますので、実技とか運動生理学の方をやっているんですけども、あの内容だったら普通のいわゆる厚労省がやっている運動指導士であるとか、と変わらないじゃないかと思うんですね。それじゃあそこにどう言う風にホリスティックな味付けをするかということを皆さん考えて下さい。


 ということで、いつもまず身体感のこと。「自分の体っていうのはどういうものであるか、ということをよく考え下さいね。」というお話をする。例えばさっきこう邪気をはらって頂いて、邪気ってのは見えないんですね普通。見えないけれども例えば痛みがあった場合、この痛みを持っている人は邪気をまだ意識していないんですね。若木先生と関わり合う中で邪気が発生すると言うたら変な言い方になりますけど…。

 
 つまり若木先生が邪気を認めることによって、この人に邪気は付く、と言うと失礼な言い方なんですけども、それを祓えるわけなんですね。そういう意識を彼はもっている。そういった彼の中では身体というのは、こういった見えるこの身体じゃなくて、こういう部分全部、身体。だからそこの部分の凝り、邪気をほぐしてあげると、本体の身体も変わりますよ。当然当たり前のことなんです。


 例えば首が曲がらない。じゃあ曲げるためのこの拮抗筋に硬縮があれば、これを緩めてあげたら曲がるということ。これは見える身体なんです。彼は彼の身体感、すごく大きな気のイメージを持っているから、気の部分に対して「凝り」であり、邪気あるいは色々な滞りというのを取ってあげることによって、体は触っていなかっても、ここで当然同じ作用が起こるんだ。という風な彼は身体感を持っている。
皆さんは直接何かセラピーをする資格ではないですけども、今何かセラピーをするような資格を持っている人というのは、そういう時にホリスティックな身体というのはどういうことかということを、もう一回考えて欲しいんです。


 上野圭一さんが書かれている本の中に、微小な身体、サトルボディー。そういった身体、あるいは細かい細かい細かい、その気の塊であるのか、波動の塊であるのかそれは分からないんだけども、そういう風に人間を見える身体だけじぁない状態で考えていくと、色々なセラピーというのがどんどん生まれてくるんだと思うんです。
だから若木先生が、色々開発していく、鏡セラピーとかね。ああいうのもそういった身体感がみんなと違うんです。皆さんが普通の厚労省のいう運動指導士とか、そういった健康指導士と何か一線を引くためにはその身体感覚をしっかり持って頂きたいと思います。


 まぁそんな風な形でお話をしたんですけども、今日のレジメを…。ホリスティック、代替医療の視点からというところね。この中にホリステック医学協会の定義っていうのが有りますね。もうこれは皆さんしっかり覚えてはると思うんですけども・・・。これをちょっと私なりの視点でお話していきたいと思います。

 まず1番、ホリスティック(全的)な健康観に立脚する。人間というのは、心、体、気、霊性、の有機的統合体として捉え。ようわからんことなんですけども。従来西洋医学と言うのは二元論っていう考え方を持ってるから、何か体の中悪いものがあれば、これが体としたらここに悪いものがあれば、これを「取り除いてしまおう」というのが大体基本的な考え方なんですね。


 良いもの悪いものの識別をしていきます。ホリスティックの場合というのが、もちろんこれが全ての方法では無いですが、例えばこういう考え方をしていきます。ホリスティックというよりも私の考えるホリスティックの中ではこういう考え方をしていきます。


 今この一つの身体の中にいわゆる悪い部分と健康な部分があります。西洋的な考え方、二元論であれば、悪いんだから取ってしまおうというんですね。そういう考え方をしていきます。もちろん取るっていう方法も一つあるんですが、こちらの健康な部分に目を向けていこう。例えば健康な部分をグーンと育んで行けば、悪いところの健康な部分に占める比率が変わってくる。つまり関係性が変わってくる。


 最初はまあ一対三、位の割合であったら、健康な部分にグーッと目を持っていくとこの比率が一対十になったとしますね。なら三分の一も何か体の中ではびこっていればうっとうしいなあと思うものが、十分の一やったらまあいいか、これぐらいやったら「居ってもいいわ」と言う風になってくればこの人は、あまり悪の方に目を向けなくて済むわけなんです。そうして行くとこの悪が、必要無ければ何処かへ行ってしまうんですね。


 一生懸命さっき若木先生が言ったように、痛みとか辛い、あるいは起こること、事象っていうのは全てこれメッセージなんですから、それを受け止て。お知らせ「もう後5分ですよ」つて言いにきて5分で終わればそのメッセンジャーはいらないんです。こいつはどいてくれるんです。て言う風に考えていくとあながちこの悪をそのまま住ましてあげても、自分に対して災いを持って来なかったら、まぁ良いじゃないかと言うような考え方も、ホリスティックの一つの考え方なんですね。


 現在日本の死因の一位は癌なんですね。3分の1が癌。で心疾患、脳疾患これで大体6割位が亡くなってるんですが。4番目が肺炎、っていうことなんですね。これは全員の死因ですから。今死因の3分の1を癌を占めてるんですけども、なぜ癌が死因の1番になったか分かりますか?


 例えばよくあの食生活が悪いとか、環境ホルモンがどうとかストレスがどうとか、これは全部癌になる原因なんです。じゃなくて癌が死因の1番になる原因。ちょっとこれはイレギュラーな考え方なんですけども、どう言う風に考えるかと言うと、癌が1番になった原因ていうのは長生きしているからなんです。


 戦前までは平均寿命が50才とか55才とかいわれたんですが、今は76〜84才位ですかね?だから皆さんは長生きできたから癌で死ねるようになったんです。っていう風に考えていくんです。ということは、言ってしまったら癌があっても、悪いものがあっても共存していくことは可能である。そういう風な物の考え方。たまたま長生きしたから。


 それまでは小さい、微小だった癌が、大きくなって悪さをする前に違う病気で、違う原因で亡くなっていた、ということ。長生き出来たから、癌という一つの疾患、病名で死ぬ。死ねる。っていうことにもいえる。まあちょっと逆説的な考え方なんですけど。


 ですから体の中にネガティブな物があっても共存していけるということ。必ずしも体の中にある物、悪いものが悪であるという決めつけはしていかない。という考え方に立つのが一つ目の、考え方の大きなものだと思います。


 これは個人という体の中の話なんですけども、次色々な組み合わせのなかで次の単位と言うのは家族になってくる。家族、お父さん、お母さん、私、弟がいるとしますね。4人家族で。人間の体が悪いとこと健康なところが、一つで全体と考えても良いよとあるように、ここにお父さん、お母さん、私、弟、この関係がバランス良く、家族がねバランス良くなっていれば、この家庭は円満、一つ。健康であると考えるんですね。


 この中で、例えば、お父さん、お母さんの仲が悪い、あるいは弟が何処かに行ったまま帰ってこない、そういう風に歪みがあった場合、バランス関係が崩れると、この中の一番弱い部分に病理として出てくる可能性というのがあるんですね。たまたまそれが私であったとか・・。


 よく弟ができたら兄ちゃんがおねしょするとか、甘えたになったとかよく言いますね。かまって欲しい部分がある。そういう家族という一つの集合体の中で、バランスが何かの形で歪みを持ってくると、そういうことがおこる可能性がある。そういう風にこの人にアトピーが出てきた場合、もちろんアトピーの原因としていろんな物が考えられるますけれど、それも考えて合わせて家族の中の全体性として考える。


 あるいはその学校とか地域とか、そういったグループの中での存在、関係性を考えていこういうのもホリスティックな考え方の一つなんですね。その中で家族療法があったり、例えばアトピーのお子さんだったら、基本的にお母さんとカウンセリングしたりとか、そういう風に本人が必ずしも原因ではないということも考えられる。だから単純にその人だけを見ていれば、なかなか解決していかないものが、その人の家族だったり、あるいは周りを見渡すことによって変わる可能性っていうのが、出てくるのも一つのホリスティックの考え方だと思います。後これずうーと広げていったら国とか社会とか地球とか、さっき言った規模になってくるんです。

 2番自然治癒力を癒しの原点におく。これは命が本来自らのものとして持つている自然治癒力を癒しの原点に置く。ということで、私たちはそれぞれ、自然治癒力を持っているんですね。これは私たちの中に在る潜在能力の一つだと僕は考えます。ですからその能力を開発するためには、いわゆるそれをシャットアウト、阻害する物を外してあげればあとは勝手に動き出していくんですね。自分の中に目覚めていくんです。


 それがちょっとした声掛けであったり、その人に対する係わり合い方であったり、あるいは何か道具があったり、それはその方法論っていうのは色々ありますけども、何かその錆び、あるいは邪魔している物を取り除くだけ。本来の所に何もアプローチしなくてもOKなんです。若木先生が一番最初に面白いことを言ってはったのは、いわゆる木の中に仏様が居てる。そのほこりをはらってあげるだけできちっと本来の形になってくる。おもしろい表現なんですね。


 彫塑ていうのはですね、日本の彫刻っていうのは、中へ中へ、中心へ彫りこんでいくんですね。外国っていうのはモデリングっていって外へ外へ付けていくんですね。だからダンス系なんかにしても、わりとアジアのダンス系ていうのは、中心へ中心へ沈むとか、そういうような動きとか。つまり中へ、求心性の動きなんですね。逆に西洋のものというのは、跳躍があったりとか外へ飛躍して行く。そういう面で対照的ですね。  


 で、話がとびますけど、アメリカの西海岸で1960年代にホリスティックな医療が芽生えた時に、彼らが目指したのがアジアなんですね。インドとか中国とか日本とか、そういったところから色々なオリエンタルな文化、ヨガとか禅とか気功とかそういうもをがどんどん取り入れたんですね。やっぱり、みんな目は東洋に向かってくる。でよく、神出ずる国日本とかいうんですね。日本といのがほんとに世界の中心だという。まあそこまで考えていくのはどうかと思うんですけども…。


 身体感化のトレーニングに東洋っていうのはすごい大きなメソッドを持ってるんですね。だから若木先生は本来ホリティック医療っていうのは言葉すらいらない、医療っていうのは全てホリスティックであるべきだ、と言う。私も最終的にはそういう形へ戻っていくと思います。元来そういう所から出発していって、いろんなことが細分化されて、よりシステマチックになって、その時やっていたことによるしっペ返しに、私たちが気付き始めたのが1960年、70年代。そういう時代やったと思うんです。


 ただ日本は元来このホリスティックな医療をやっていたんですね。だから逆輸入みたいな形で今ホリスティック医学協会って、片仮名付いていますけど。まあこれもなかなか日本語に直す言葉が無いんだと思うんですけども…。


 この自然治癒力っていうのを「癒しの原点におく」という。私達は治っていく時にお手伝いをする事できる、サポートをすることができる。けど最終的に治っていく力っていうのは、その人の中であるものしか変わっていかない。言ってしまうと無いものは出ない。無い袖は振れないと同じなんです。でもちゃんとあるんです。ただみんなは無いと思っている。あったけどほったらかしにしちゃったから、忘れた。それをこういう風にちょっとはらってあげる作業。ていうのがセラピストの関わり合いだと思うんです。

 で、 3番。患者が自ら癒し、治療者は援助する。ということですね。まあこれはよく言われている事なんですけど。やっぱり第三者が何かするよりは自己療法の方が良いですよね。まぁ、これは原点ですね。皆さんには生活習慣病予防士、あるいは予防指導士ていう名前が付いているんですね。ここで指導っていう事に対してちょっと考えていきましょう。指導ということをピックアップしてお話しをしていきたいと思います。


 指導というには自分の知っている事を相手に伝えることじゃないんですよね。例えば伝える事と言うのはどうしても自己満足的になってしまいます。「このしょうゆラーメン美味しいから食べてみーよ」っていっても、その人はラーメン嫌いかもしれない。あるいは味噌味が好きかも知れない。私はこれが美味しい。でもあなたは嫌いということは当然あるわけですね。その時に指導という立場に立ってしまうと、ドグマ的になってしまって、押し付けっていうのが入ってくる。


 何故押し付けるかっていうと、やはり相手の状態がよく分かっていない。そういう部分が沢山にある。その中でさっき若木先生の方から顔相学ていう、顔の方から見る一つの見方を教えて頂いたんですけど。まあそれに少し似てるんですけど、もう少し全体的な見方の「胚葉学」っていうのがあるんです。それは2枚目のレジメに書いてあります。これは先ほど話をしたモーリス・メッセゲの講座で習った事なんです。


 私達はこう受精した卵子が分割した時に、まず外胚葉と内胚葉と二つの胚葉ができるんですね。それから中胚葉が陥没してできる。そういう風に誰にでもある各胚葉の発達して行く部位に、色々なコメントを付けて類別していこうというのがこの胚葉学の考え方なんです。


 分け方は三つです。厳密にいうと四つあって全部で十六種類あるんですけども。ややこしいので、三つに集約します。その中で外胚葉、中胚葉、内胚葉この三つに分けていきます。この三つに分けてそれぞれここに書いてありますようなことで見ていくわけなんですけども。これ簡単に説明していきます。単純に言うとこの外胚葉というのは、痩せ気味のタイプなんですね。中胚葉は中肉中背。内胚葉は肥満のタイプ。という風に大まかに分けて下さい。イメージして下さいね。頭の中で…。


 この外胚葉というのは元々、皮膚とか神経とか毛髪とか一番外側の部分に発達していく部位。中胚葉ていうのは筋肉とか骨格とか体の骨子となる部分ですね。内胚葉っていうのは内臓とか消化管になるような部分に発達していきます。だからこの三つの胚葉は誰にでも全部ある。ということは外胚葉タイプといっても外胚葉だけのタイプじゃなくて、三つの中でどれが比率が大きいかということで、それで分けるんです。


 一言で言うと、外胚葉は痩せ型。中胚葉は筋肉質、内胚葉は肥満。自分の周りの人をイメージして下さいね。この外胚葉の人と関わる時は、やはりすごい繊細ですから神経を使って、細やかな配慮というのが必要になってきます。中胚葉の人は、これは屋台骨、骨子ですから、しっかりした理論づけが必要になってきます。理屈が必要なんです。内胚葉の方は消化器系。消化器系の役目、入った物は出る。入った物が出る。出入り。入る前に出る位の感覚で出入りが激しい。言った事をすぐ忘れる。


 こういうそれぞれのタイプの人がクライアントとしたらどういう風に対応していくか、例えば私達が整体で施術をする時というのはベッドに寝てもらうんですね。


 外胚葉タイプの方が来られましたら、いろんな事に配慮、神経を使ってあげるということですね。だから、外から視覚が遮断されているか、温度は大丈夫か、香りはどうか、音はどうか、べッドは冷たくないかそういったところをしっかり配慮して、ちょっとわがままなお姫さま系くらいに関わっていくのがポイントなんです。


 中胚葉タイプの方が来られたらどういどうするかというと、きちんと理屈でお話をしてあげるということ。説明をするということ。整体であればあなたの場合の腰痛は、骨盤がこうなって、背骨がこうなって、その分力がここに加わって、その分負担がここへきて・・・・。と熟語を使って、難しい言葉をしゃべるんです。で内胚葉の人が来はったら、楽しく、ため口で「痛く無い?」。そういう風にしてお話ができます。


 これを分かりやすくいうと、テレビを見た時に、外胚葉の方というのは、悲しいドラマを見たら翌日まで心にずーっと残していくんです。気持ちを引きずっていくタイプ。だからあんまりメンタルなこと言えなんいです。ちょっと飛びますけど内胚葉の方は悲しいドラマがあったら、悲しいなあって心から悲しくなります。で今度は楽しい場面にきたら、すぐに笑ったりして、心の切り替えがすごく上手なんです。あんなりこだわらないタイプ。


 で中胚葉の方はどういうタイプかと言うと、テレビを見ながら、テレビに突っ込みを入れる人。例えば大河ドラマを見て、宮本武蔵やってますね。その時にそんな時代にそんな船は無いとか、そんなうまく相手は逃げて行かない、そんなとこあるくらいやったらどうとか・・・・・・。そんな大阪弁はおかしいとか・・・・思っている人は中胚葉なんです。

 ここで難しいのが、指導の中で難しいのが内胚葉なんです。何故難しいのかというと、言ったこと三日しか覚えてくれないということです。例えば肥満の方が居られます、内胚葉ですからね肥満の方は。こういうことがあったんですが、おばあちゃんが膝が悪い、水が溜まってる。まあ東洋医学ではわりとそういう時は「冷え」があってということで、「甘いものとか果物、止めて下さいね」ってそういう話をするんです。つまりおばあちゃんに「お菓子とか果物は食べたらあかんよ」という話をする。おばあちゃんは「ハイハイ分かりました。絶対食べへん。絶対食べへん。」って。大体、「絶対」って使うんですね。「絶対」とか「ずーっと」という擬音なんかを沢山使うんですけども、一週間位して来はって、「おばあちゃんお菓子食べてませんか?」って言うと「絶対食べてない」って言うんですね。


 でももう一つ良くなっていないので、よーく聞いてみると、何か変なので、じゃあ何は食べてるの?と言うと、「お煎餅でしょ。お饅頭でしょ。」って言い出すわけ。「おばあちゃん、お煎餅とかお饅頭ってお菓子やん」って言うと、「でも先生はお饅頭アカンって言えへんかった。お煎餅アカンって言えへんかった。」って。普通大人やったら「それもお菓子に入れてくれよ」って思うんやけど、内胚葉の方はそれが出来ない。


 こんな話もあるんです。果物が好きな人、どうしても果物は冷えるから、婦人科疾患の人は控えましょねという話をした時に、「先生私果物が好きで止められへんから、何か食べていい果物ないですか?」と聞きはったから、みかんやりんごやったらちょっとはいいよ。」という風にお話をすると、その人の耳には「りんごは良い」だけ聞こえるんです。家に帰ると、先生は「りんごは薬やって言うてはったよ。」っと、これ位変わっているんです。これが内胚葉の特徴なんです。


 まだまだ内胚葉の話はあるんですけども。外食もあまり良くないんですね。外食というのは、塩と油を多くして、美味しくしてまた来てもらおうっていう感じ。自然食のレストランじゃないですから、また来てもらおうと思うと、塩と油多くするんですね。美味しいから。やはりそういうのは体をむくませたり、肥満、高脂血症の原因になるんです。


 だから「外食はあきませんよ」っていう話をしたら、また「絶対食べへん、今度は絶対我慢する」と言うてくれるんですが。その人は我慢しようと思ているんですね。そうは思っているんだけども、階段をトントンと降りて、いい匂いがプ―ンときたらフラフラと入ってしまう。これが内胚葉のタイプです。基本的には肥満タイプですからそういう人が来られた時つまり、肥満の指導とか、高脂血症なんかで肥えてる時ね、そういった人たちの指導をする場合は、その辺りの事に注意してくださいということですね。

 
 最後にもう一つだけ例をあげると、私たちが整体をする時、こううつ伏せで肩の僧帽筋のところからまず入るんですけれども、外肺葉タイプの方には一点目いれる時に、すっーとこう来て、「痛くありませんか?大丈夫ですか?」ってこういう問いかけをするんです。で、中胚葉の方には「こちらら側の刺激の度合いは左に比べてせて痛くありませんか反応はどうですか?」とか、やっぱり熟語を使って聞くんです。


 内肺葉の方には、「痛ない?大丈夫?」とため口で聞くんです。これをまちがうと、例えば内胚葉の方に説明するとね、うっとおしがりはるんですね。「あなたの場合は、ここの骨盤がどうたらこうたら」て言うたら、「いや、先生もうそんなんええから早してぇな」こんなタイプ。そういうタイプはチャッチャとしてあげた方がいい、そういう場合はコミュニケーションは楽しいコミュニケーションで結構です。

 ま、若木先生のなかにもあったように、やはり手技とかそういった方法論というのは、ツールですからね、あまり関係ないと思います。最初の問診の時にどれだけ、お心をいただけているか。いわゆる、治すようにチャンネルを切り替えていくか。そういったね、いろんな方法論が書いてあるのが、黒丸先生が出された、「人はなぜ治るか」という本なんですね。


 いろんなあれ、ネタが入ってます。今、廃盤?いや絶版中やから。発売禁止じゃないですからね。
「絶版中。」


 またみんなで署名したらね、嘆願したらまた出るかもわかりませんね。あれはすごくいい本でね、ぼくあの本をいただいたときに、黒丸先生に「こんなん、セラピストのネタ本や。」と言ったぐらいね、いろんな黒丸マジックが書いてあるんですね。あのーっ、黒丸先生をねさっき、若木先生がご紹介した時に、黒丸先生はほんとのマジック、手品が大好きでねって言ってましたね。いつも披露してくれはるんですよ。またチャンスがあったらいっぺんせがんでください。きっとちゃんとネタを仕込んでますからね。いつもここに鳩が…。はい。

 で、まぁそういうタイプ別判定法なんか知ってたら便利ですね。これはどんな方法でもいいんですね。例えば昔からのクレッチマーの類別方とかね、いろんなやつがありますね。ただ血液型でも十二支でも何でもかまわないけども、やっぱりそれは相手に聞かなかったらわかれへん。で、体型で見てやれるやつ、こういった類別方とかの方が初対面で使いやすい。そういうのを知ってるとすごくコミュニケートしやすいんですね。


 最初にラポールを作るためには相手と良いコミュニケーションが取れるということが大事ですね。あのね中川米造先生の本にですかね、「医者と芸者は同じや」っていうね、こと書いてあったんです。やっぱり「あなただけよ」と思わす。そういうテクニックをね、使っていただけたらと・・・。そういうことが書いてある。またすごいおもしろい本ですからご覧になったらいいですね。

 代替医療も西洋医学もあの、何が一番大事かっていういうのは「ここにきたら治るんだとイメージが出来ることなんですね。」この先生に診てもらったら改善するんだ。治るっていう基準は違いますけども、「ここへ来たい」というイメージをね、きちっと描いて、作ってもらう、そういったことがすごく大事。


 それからみなさんが指導士として、改善していくためには具体的に何かセラピーをしなくても、あの指導士の先生と話をすると「何か自分は改善していく気になるんだ、改善していくんだ」ということがちゃんとイメージ出来るかどうか。それがとても大事なことです。イメージというのはすごく大事。で、後半にはイメージ関係の事をまたいくつかやりたいと思いますが…。その前にちょっとあと二つやってしまいますね。

 四番目、様々な治療法を選択・統合し、最も適切な治療をおこなう。ここが一番問題なんですねぇ、「色々な各種療法とか、補完療法を混ぜたらホリスティックな医療になる」っていうふうに思ってる方が結構いてるんですね。これは全然違います。で、それぞれ、今、代替医療とか補完医療とか統合医療とかそれぞれありますけども、これらはどれもすべてがホリスティックな要素を持ってはいるが、ホリスティックイコールではないということ。


 昭和30年代に、漢方薬が保険適用になって、今病院に行けばだいたい漢方薬を出してくれるとこ多いんですね。漢方薬を出してもらうと、なんかあそこの病院はやさしい。身体にやさしいことをしてくれるイメージを持ってしまう。もちろんほんとに漢方処方して出されてる方もいてはりますけども、だいたいがマニュアルでですね。病気に対して漢方薬はマニュアルを見て出しているんですね。


 だけど本来は漢方の場合は「証」と言うものを見ていかないけない、体質に合わしていかないといけないから、基本的には冷える体質であれば温める薬を入れるし、燥の体質であれば潤う性質のものを入れるという形になる。だから病名は関係ない。むしろその人の症状とか体質とか状況とか年齢とかによって薬は変わっていくんだけども、漢方っていう一つ大きなレッテルを貼ることによって、身体にやさしい医療に変身する可能性がある。だからただ単に東洋医学とか、代替医療をやるイコール、ホリスティックな医療とは違う。これは是非理解してほしいところですね。だから四番目っていうのは、一番誤解を招きやすいところだと思うんですね。

 あと五番目。病の深い意味に気づき自己実現をめざす。病気や障害、老い、死ということをただ単に否定的にとらえるのではなくこれ、二年前の四月に改定されたんですね。昔からの会員の方はご存知と思うんですけどこの予防士のこのテキストの人は、古いバージョン。4番5番が古いバージョン。で、昔は病を気付きの契機ということでした。2年前から老いとか障害、死っていうのが入ったんです。私たちは産まれた時に「死」っていうものを同時に背負っているわけなんですね。だから否応なしに誰にでも「死」っていう最終ゴールがあります。


 それがたまたまわかんないから、恐怖を持たない場合もありますね。ただそれが10代20代の人と比べて50才とか60才とかになってくると、ちょっとなんか先の方が近いかなと、イメージが段々沸いてくるんですね。僕らもいわゆる平均寿命からみたら、おり返してるわけなんですけど、やはり10代20代とは違った感覚で生きるっていうこととか、死ぬってこととか考えます。だけど死ぬっていうのがネガティブでもないし不幸でもない。で、それをみんなには分かっていない。これはみんなに与えられた得点なんです。


 だから癌の末期の方のお見舞いにいった20歳の子が、その人よりも長生きする保障はないんですね。
たまたま20歳の子は「このおじいちゃんかわいそうやな、あと一週間って言われてかわいそうやな、やさしかったのにな・・・」、と思っていても、その人が帰りに交通事故で先に死んじゃうという可能性もゼロではない。だからいつ自分が死と隣り合わせにいてるかもわからない。このホリスティックな医療っていうのはそういった死っていうものも、やはりどっか背景に存在してる。それもネガティブな物としてではなく考えていく。

 
 それからちょっと名前忘れましたけれども、いわゆる死、死んだ時点を基準にして、そこから先のあの世っていうのがあるかはどうかはそれはわかんないですけども、そこを「つまり死んだ時点がスタートラインなんだ」とそういう風な考え方。


 例えば死を忌み嫌うのは死んだところが暗く悲しい、ま、地獄か極楽かわからないけど、そういう何もない世界だということがあるから、それに向かって行くからじゃあ、行っちゃいけないよ、というような感覚を持ってるんだけれども、それも全然わかんないですね。楽しいところかもしれない、いわゆる極楽浄土。


 あの、飯田史彦さんの言ってはるのに、例えば死後の世界を信じる人は、もし死んだときに死後の世界があったら、あぁよかったと思うし、もしなかったらないんで何も分からない。信じない人はなかったらないからわかんないけど、もしあったらくやしい。まぁつまり死後の世界が有るとか無いとかというのは、その人の感覚の問題やからどう考えようと全然問題はないと思います。


 ただホリスティックの中ではやっぱりすごくそういうところまで、幅を広げているので中々一般的には受け入れられてないんですね。これ協会の意見ではなく私個人の意見なんですけれども、見えない世界っていうものをどういう形で考えていくかっていうの、それは今まで色々な名前によって見えない世界って語られてきたわけなんですね。この語り口っていうのはこれからも増えていくと思うんですけども、やはり見える世界と見えない世界を含めて医療っていうのを考えた時に、全然違った新しい発想の医療っていうのが出来るかもしれないですね。

 そんな中でホリスティック医学協会もなかなか、遅々として進まないんですけど、まぁ頑張ってますよね。みなさんの応援も是非したいし。


 さっき言った、3年前に変わったというのはやはりみなさんの予防士、予防指導士っていうのが出来たってことですよね。今までは漠然とホリスティックな医療、じゃあホリスティックな医療を受けたい時にどこに行ったらいいんだって。中々分からなかったんですけれども、今はみなさんもう持ってはると思いますけどリストがあるんですね。協力施設。こういうところに何かあった場合こうやったらいいというリストがね、住所録というかリストが出来てます。


 これもやはり生活習慣病という形に一つに範囲を狭めたから。だから生活習慣病の中でそういう基準を設けることによって、ホリスティックな医療をみんなで考えていけるようなチャンスになりました。と同時にやはり生活習慣病予防士に自分から講座を受けて、資格を取られて活動しようとしてる人にはすごくエネルギーがある、特に関西はね。一期生の板垣さんを中心にね、すごいプロジェクトを今動かしてます。全国的に見ても最前線に出て頑張ってるところです関西は。


 そういった講座をね、みなさんが受講されて一丸として、やっていくなかで今6期生か7期生ぐらいですよね。だからこれからまだみなさんはパイオニアですからね。なんぼでも今から自由に好きなことが出来ますよ。板垣さんをいじったら・・・。だからね、ほんとにみなさんの力を借りてぜひ広げていきたいです。

 今から最後にちょっと私の方もワークをします。よく健康法に、呼吸法っていうのがありますね。まず最初に今から呼吸法の練習を軽くやりますんで、まぁ基本的には鼻からすって口から息を吐いていく。で、鼻が詰まってる人は口から吸って口から吐いてもらっても結構です。まぁだいたい普通は鼻から吸って口から吐きます。鼻からすって目から吐かんようにしてください。


 で、今からイメージワークをちょっとやりますので、最初呼吸を整えていただいた後にナレーションを入れますから、頭の中にイメージしてください。で、五感のイメージありますね。視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚。で、これら五つのイメージ。それぞれイメージには得手不得手がありますので、まず自分がどれが得意か自分で分かるようにチェックします。そうしていくと、例えばさっき若木さんがされた、聴覚を使うか触覚を使うか自分でも考えていけますので。


 じゃ、五つのバリエーションのイメージをナレーションをしますから頭の中で想像してみてくださいね。じゃ、軽く目をつむって、鼻から息を吸って口から息を静かに吐いてください。自分のすった倍の長さぐらい。だいたい倍ぐらいです。2秒吸ったら4秒ぐらいの長さで息を吐いていきます。3秒吸ったら6秒ぐらいですね。だいたいでいいですよ。ゆっくり呼吸を整えて行きます。まず最初は自分の吸う息吐く息に意識を傾けてください。


 上手に呼吸が出来ると手足がぬくくなったり、額の辺りが涼しいような感じがしてきます。あなたにとって一番心地いいスピードを自分で見つけてください。今日の身体、今の時間帯。丁度今日は新月で一番やさしいエネルギーがね、流れている日。この日に呼吸法でイメージを少しずつ整えて行きます。


 じゃそのまま楽な姿勢で結構ですから。目をつむったままで。頭の中に丁度画用紙ぐらいの大きさの、白い紙をイメージしてください。白い画用紙ぐらいの大きさの紙をイメージします。だいたい紙のイメージが出来た人ちょっと手を挙げて・・・教えてください。はい、おろしてください。はい、結構です。自分のペースでいいですよ。自分のペースで。出来ないイメージはそのまま放っていってかまいませんから。


 じゃあ、次行きます。じゃ、今度はその白い紙を色をつけていきます。黄色い色にしていきます。白いキャンバスに、はい、黄色の絵の具で、黄色い紙の、イメージにしていきます。黄色い紙に変わった人、また教えてください。はい、いいですよ。静かに下ろしてください。出来ない人は、出来るところまでで結構ですから。じゃあ次は、その紙をキュッキュッキュッキュと小さくして、直径7〜8センチくらいの丸い紙にします。丸い紙になったら、今度は、丸い球にしていきます。丁度ソフトボールくらいの大きさの黄色いボール。あるいはテニスボールくらいの黄色いボール。今度は球になったらちょっとまた教えてくださいね。丸、球になったら・・・はい。


 じゃあ今度はその丸い球の両端をきゅーっとひっぱってレモンの形にしていきます。いいですね。レモンの形にしてください。キューっと。じゃあね、今度はそのレモンをいっぺん手で持ってください。触覚のイメージですね。レモンの。自分の前にレモン。レモンの冷たさとか肌触り、重さ、その感じを手で味わってください。イメージでね。形できたらちょっと教えてくださいね。はい、いいですよ。はい、じゃね、そのレモンを少し鼻に近づけてかすかな香りかいでください。レモンのかすかな香り。


 はい、じゃあね。今度は目の前にまな板と包丁が出てきました。そのレモンを置いて包丁をとって真っ二つにガシャっと音のイメージ。スコッと割ってください。あざやかに二つに割れたレモンを、ありありとイメージしてください。情景が浮かんだ人、手を挙げてみてください。


 じゃあ今度はその半分に切った片方のレモンを鼻のそばに近づけてください。さっきよりも、いい強い香りがしますね。ピュアな感覚。ずーっと近づけて。はい、じゃ大きく息をすって。レモンのすてきな香りを鼻いっぱいにかいでください。じゃそのレモンを「がぶり」ってかじってください。ガブリ!口の中にいっぱい唾液が出てきた人ちょっと手を挙げてください。


 じゃあ大きく息を吸って・・・、はい吐いて・・・、はい吸って・・・、レモンを置いていただいて結構ですよ。はい、じゃあ静かに目を開けれたら開けてください。

 どうですか?あの、ね、最後にね「唾液が出てきたな」っていう人、もう一回ちょっと手を挙げてもらえますか?だいぶの人がね・・・。後ろ見ていただいて分かりますか?大方の人はレモン持ってきてない。今日の会費の中にレモンは入ってませんよね。レモンはご用意出来なかったんけども、イメージでレモンを皆さんに差し上げた時に唾液が出てきたんですよね。で、唾液が出るっていうのは生理作用ですね。唾液は物質ですね。物理的なものですね。でも、ここのレモンは見えない。実際は何もないんです。

 でも例えばこういったイメージで身体っていうのは、いくらでも変わってくる。だから若木先生が先ほどされたような、イメージ、を使って身体が変わる。ただどこまでを身体と考えるかっていうセラピストの価値観によって、全然治療法ってこれからは変わってくると思います。だから、さっき幻視痛の話とか色々あったんですけどもこの、イメージしてっていうことの大切さ。この逆にイメージが悪くなってくるとなかなか回復していかない。


 「どうせ」とか「あかん」とか、クライアントの中には、最初からもう治らないと決めている人・・・。言葉では治りたいと言ってるんですよ。私もう早く病気治りたいって言いながら、どっかでだめだとか、治らん方がいいなと思ってる人って結構たくさんいてはるように思います。

 みなさんは生活習慣病予防士ですから、生活習慣病に関して、で、生活習慣病っていうのはいわゆるライフスタイルを変えていくることが一つの方法なんですね。この変える中で、日常に起こっていること、日常の状態で繰り返されてることっていうのは、やっぱり明日も繰り返していく可能性っていうのがあります。 


 でこの、三番に患者が自らを癒し、指導者が援助する。または、後半でライフスタイルの改善をして、患者自身が自ら癒す。その姿勢が治療の基本になる。こう書いてますね。だから、私が言うのは、それが食事療法でも整体でも鍼灸でもアロマでもリフレでも何でもいいんです。


 で、今自分がここにおる。これは今日まで生きてきた自分の結果なんですね。良いことも悪いことも。で、結果というか、色々起こってることはメッセージなんです。そのメッセージを受け取ってどういうふうに自分が変わろうとするビジョン、イメージを持つかによって変わる。単純にいえば自分の中で「何か一個、変えてみよう」というような指導をしてあげる。別に内胚葉でなくても、たくさん言っても人間そんなに沢山のことは出来ないんです。


 だから一つ出来ることを。そして一つ出来ると、それが何か成果を出すと、やはり褒めてあげる。そういったことをやってあげる。「何か一個変われば、明日から変わっていく可能性がありますよ」というお話をしてあげます。だから自分がその食事をガラって変える。特に内胚葉の人とかやったら出来もしんくせに「ガラっと変えます」とかって言うんですね。だけどもたくさん言っても、言い過ぎると飽和状態にパンクになってしまう。


 おいしいお菓子も、おいしいごはんもたくさん詰め込んだら、いらなくなってくるのと同じです。適量、適時に伝えてあげると、それは本人がやろうっていう気持ちになるんです。だから相手がやりたいなあとか、そういうふうにモチベーションがあがっていくまでは、なんぼ外から、がやがや言っても全然動かない。待つしかないんですね、時期を・・・。


 で、あの、最初に言った野口晴哉の本の中に「卒啄」。多分卒啄やったと思うんですけど。どういうことかというと、雛がかえる時に雛鳥が殻の中からチョンチョンとつっつく。親鳥が丁度タイミング良く上からチョンチョンつっついて、それが丁度つっつけて、その雛は誕生出来る。そういうタイミング。

 だから治療っていうのは、何かをしてあげようとか何かをしようとか、治そうとか全く思わなくても、やはり二人の、ぼくはその、整体というのはセッションだと思うので二人の波動がうまいこと合えば、勝手に治っていく。だからほんとにそれは言葉でもかまわないし、言葉じゃなくて何かのエネルギーでもかまわない。ただまぁ、その時に心地よければいいだろうなぁと思います。


 人の気持ちっていうのはただ単にやさしいとか心地いいだけで動くもんではないし、変やけど怒られたい人もいてはります、叱られたい人もいます。若木先生とこに行ったら叱ってくれます。「だめだ」って・・・。うちに来ても叱りますけど…。だからその人に必要なことを見つけてあげると、言葉がもなくても気持ちだけでも十分伝わっていくんですね。

 今年のホリスティックのシンポジウムで江本先生が水の話をいろいろしてくれました。やはりこの「ありがとう、感謝の気持ち」って大事ですね。もうあまり時間ないんで今日、出来なかったんですけれども、「三つの気持ち」っていうワークをよくするんです。これは二人で組んで、後ろから「ポジティブ」「ネガティブ」「無関心」ていう三つの気持ちを相手に送る。


 やり方はね、相手の肩に軽く手を添えて同じ条件で気持ちを思うだけ。例えばポジティブであれば楽しい情景を思い浮かべればいいし、ネガティブであれば、「ばか」とか「あほ」でもいいし、悲しい場面でもいい。無関心は何もしない。ぼ〜っとしてるだけ。


 そうすることによって、何も手を加えないのに、喋らないのに、言葉を発しなくても「相手に伝わる感じが変わるよ」っていうワークです。特にヒーリングのスクールでよくそれやるんですけど、それぞれのイメージをする順番は変えていいんですね。それで下から、つまり受けてる人に終わった後、何番目がポジティブ、何番目がネガティブ、何番目が無関心って感じたかってことを言ってもらって、当たればOKって、そういうことをするんです。


 答えあわせをすると三つとも当たる人もおれば、当たらん人もいてる。ただしこれはね、例えば上の人が自分がポジティブという気持ちを伝える時、その人はみんなとわいわい、がやがやするのが好きで、それがすごい楽しい情景、それをポジティブと思っ手て送っても、受けてる人がちょっとわいわいは、しんどいなと思ったら、ネガティブに感じるかもわからない。人それぞれ価値観が違うからね。


 それが一つあるっていうお話をするのと、それともう一つは、例えば、楽しい雰囲気を思うのはいいんですけれども、「良くなれ」とか「治れ」とかって「念ずるな」って言います。「治れ」って念じた瞬間に、まず治ってない、今現在の事が先にイメージとして、「ぽーんっ」て入ってくる訳ですよね、それから願望としてとして「治れ」って入ってくるから、良くならないんですよって言います。


 良くなれ良くなれっていう風にイメージするんじゃなくって、良くなってる状態、楽しい状態。これは若木先生がやった時と同じですね。良くなれ良くなれ、治れ治れ、曲がれ曲がれ、じゃなくって、多分彼は曲がってる状態が“ぽんっ”と頭に入ってると思うんですね。だからまず最初に思ったことがちゃんと相手の脳に飛んでいきます。だから、良いセラピストっていうのは、治れ治れという風に一生懸命念じてあげるのんじゃなくって、やはりその人が治ってる良い状態をイメージ出来る人。そういう風な形でねイメージ出来ればいいと思います。


 イメージの力って強いですよ。恐ろしいほど強いですよ。「念」っていうんですかね。逆に言ってしまうと…。悪いこともいいことも。で、こういったセミナーの時っていうのは、今でこれで50人くらいいてはるんですかね、こういう時ってすごいやりやすいんですね。例えばイメージワークなんかで、イメージを使っワークをする時5人くらいやと、しにくいんですね。やっぱり20人以上おらんとエネルギーが動かないから、そういう風にして人間の「思い」っていうのは形になっていきます。


 最後に僕と彼がおったところの院長がいつも言ってたのは、「念ずれば花開く」。最初にイメージありき、ビジョンがしっかりしているというのが大事なこと、なりたい自分になっていきます。
そういう事で、みなさんが今年一年良い年であっても悪い年であっても、来年はしっかりね、みんなで、楽しい年にして年末にね、またニコニコして会えるようなそんな一年にね、していきたいなと思います。時間が来ましたのでこれで終わらせていただきます。どうも長い時間ありがとうございました 。

 

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